ダイビングライセンスのランクについて徹底解説
ダイビングのライセンスにはさまざまなランクが存在します。
ここでは主なアマチュアのダイビングライセンスの種類とランクについて紹介します。
今回お話するランクは「PADI」での呼称となり、指導団体によって呼び方が若干異なる場合があります。
他の指導団体でもランクごとにできることや内容はほぼ同じですので安心して読んでいただければと思います。
スクーバダイバー
初心者向けのライセンスで、最低でも3~4日かかります。
12mまでの潜水することが可能です。
一般的なライセンスであるオープンウォーターダイバーとは異なるので、注意が必要です。
オープンウォーターダイバー(OW)
初級のライセンスで、一般的に3~4日の学科講習、プール講習、海洋実習で認定されます。
15歳以上で取得でき、費用は5~10万円です。
主に下記のことができるようになります。
- 水深18mまで潜水可能
- ダイビングショップが主催する「ファンダイビング」に参加可能
- バディダイビングが可能
プロダイバー以上の人と一緒ではなくても、バディ同士で最大水深18mまで潜ることができます。経験本数が何本以上と制限がある場合がほとんどです。
ライセンスを取得したばかりである場合、ダイビングショップで開催している「ファンダイビング」に参加し、ガイドさんに案内してもらい経験を積むと良いでしょう。
オープンウォーターダイバーは、「ダイバーとしての基本的な知識と海の中での基本的なトラブルの対処方法(ダイビングスキル)を学ぶコース」です。
3~4日間で取る事が可能で、日にちもバラバラで受ける事も可能です。
講習内容を簡単にご紹介します。
1.学科講習
学科講習では、ダイビングの基本的な知識を学びます。あらかじめテキストを家で予習してからダイビングショップへ行き、インストラクターとテキストを復習した後に学科テストを受けます。DVDで学習する場合やeラーニング等で学習する場合もあります。学科テストは50問中38問正解(75%以上)達成すれば合格となります。
2.プール講習(限定水域)
足がつく浅場から水深4~5mの深場を使って講習します。
ここで海の中での泳ぎ方や基本的なトラブルの対処方法(ダイビングスキル)を実際に行って練習します。沖縄などでは、プール講習を行わず、海の浅くて穏やかなところでプール講習と同じ内容のことを行うダイビングショップもあります。
3.海洋実習
実際に海に潜ってみて、プール講習(限定水域)で学んだことを実際にやってみるという実習です。プール講習とはやることはあまり変わりません。ダイビングスキルも練習しつつ、海の世界も楽しもうという実習になります。
アドバンスドオープンウォーターダイバー(AOW)
アドバンスドオープンウォーターダイバー(以下AOW)はオープンウォーターダイバーコースをさらに発展させたもので、ダイビングの経験をより深めるために海での実践的なスキルを学ぶコースです。
取得日数は2日からで費用は5~10万円です。
主に下記のことができるようになります。
- 水深30mまで潜水可能
- オープンウォーターダイバーとしてのスキルを基に、さらに磨きをかける
AOWライセンスを取得すると、より深い水深でダイビングを楽しむことができます。これにより、今まで潜れなかったダイビングエリアを選択できるようになります。沈潜や深場に生息する生物を見たり、特殊なダイビングスタイルを楽しめることができます。
AOWコースでは、5つのアドベンチャーダイブを経験し、さまざまなダイビングスタイルについての知識や経験を積みます。ディープダイビングや水中ナビゲーションなど、さまざまなスキルを学ぶことにより、ダイビングの楽しみの幅が広がります。
AOWライセンスはダイビングのフィールドをオープンウォーターダイバーよりもさらに広げることができるのでダイビングを最大限に楽しみたい人やこれからも色々な海に潜りたい人は取得することをおすすめします。
以下にAOWコースの主な内容をご紹介します。
1.学科:スマートフォンやPCで学習を進めることができるeラーニングや、テキストやDVDを見て、ダイビングの知識を身につけます。学科試験はありませんが、各アドベンチャーダイブ前に必要な知識を学習します。
2.ディープダイビング:最大水深30mまで潜るスキルを習得します。深い水中でのダイビングを楽しむために必要な知識と技術を学びます。レクリエーションダイビングでは、18mより深く、絶対最大水深である40mまでのダイビングのことをいいます。40mがレクリエーションダイビングの絶対最大深度限界ですが、AOWには30mが深度限界として推奨されています。
3.水中ナビゲーション:コンパスを使って直線や四角形などのパターンを潜りながら、正確にナビゲーションするスキルを身につけます。オープンウォーターダイバーの際に習う初歩的なスキルをさらに進展させるもので、さまざまな状況下でより正確にスキルを使えるようになります。効果的なナビゲーションにはメリットがあります。
4.選択ダイビング:さまざまなアドベンチャーダイブから自分が学びたいものを3つ選択します。選択肢にはナイトダイビング、水中ナチュラリスト、ピークパフォーマンスボイヤンシー(PPB)、サーチ&リカバリー、魚の見分け方、ドライスーツダイビングなどありますが、ダイビングショップによって選択できないものがある可能性があります。
海洋実習は1コース1ダイブで取る事が出来るので、最短2日で取得することができます。AOWコースでは、実際の海でのダイビング経験を重視し、さまざまなスキルを学ぶことができます。
レスキューダイバー
レスキューダイバーは、ダイビングの安全性を高め、他のダイバーを助けるスキルを実践するための資格です。
PADIレスキューダイバーでは、PADIアドバンスドオープンウォーターダイバーとエマージェンシー・ファースト・レスポンス(EFR)を持っている人が次のステップアップとして参加できます。
以下に、講習内容をご紹介します。
1.学科講習と試験:スマートフォンやPCで学習を進めることができるeラーニングや、テキストやDVDを見て、レスキューダイバーの基本的な原理や知識を学びます。トラブルを未然に防ぐ方法、緊急時の応急処置、事故時の救命方法、水中捜索方法などについて学習します。
2.海洋でのレスキュー課題:レスキューシナリオを通じて、実践的なスキルを身につけます。セルフレスキューから他社の救助まで、さまざまなトラブルに対応するためのスキルを習得します。レスキュー課題とシナリオ課題は2日以上かけて実施されます。
レスキューダイバーになることより、このコースを受けることでダイビングする際の安全意識や、他のダイバーを気遣う意識を高められるのが一番の魅力かと思います。
学科講習+海洋実習2日から取得できます。
マスタースクーバダイバー(MSD)
PADIマスタースクーバダイバーはさまざまな環境でダイビングのスキルを磨き、経験を積んだことを意味するアマチュア最高峰のランクになります。
通常のランクとは異なり、マスタースクーバダイバーは条件を満たすことで講習無しで誰でも取れるランクになります。さまざまなダイビング活動や環境でスキルを磨いて、経験を積んだことを表彰するものなので、専門のコースというものが無いです。
なので、今まで紹介したランクとは違い、このランクを取ったことで何か特別なことができるわけではありません。
以下は、マスタースクーバダイバーになるための条件です。
- レスキューダイバー以上のランクを持っていること
- スペシャリティコースを5種類以上受講し、認定をもらっていること
- 50本以上ダイビングしていること(ログブックに記録された50ダイブ以上のダイビング経験の証明が必要)
マスタースクーバダイバーは、多くの楽しみ方を知っているだけでなく、トラブルの予防・対処能力も備えた、レジャーダイバーと言えます。
ぜひ、さらなるステップアップを目指してください!
また、ダイブマスター(DM)はプロへの第一歩であり、さらなるステップアップを目指す方に適しています。
まとめ
ここでは、アマチュア最高峰のランクであるマスタースクーバダイバーまでしか紹介していません。
どこまでのランクまで取得するか選ぶ際は、自分の目的やレベルに合ったライセンスを選びましょう。
泳げる範囲を広げたり、遊び方を学びたければアドバンスドオープンウォーターダイバーまで、ダイバーとして自信と信頼を得たいのであればレスキューダイバーやマスタースクーバダイバーを目指すと良いかなと思います。
ダイビングをする上で参考になると幸いです。